お水を飲まない猫ちゃんの飼い主様必見!動物看護師が教える「水を飲ませる」工夫10選

はじめに
こんにちは。南青山の猫専用ホテル&トリミングサロン「まりんハウス」です。 動物看護師目線でお届けしているブログの第3弾は、ご相談の多い**「うちの子、お水をあまり飲まないんです」**というお悩みについてです。
猫ちゃんはもともと、あまりお水を飲まない動物です。祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコといわれ、水分の多くを獲物から取っていました。その名残で、今の猫ちゃんも「喉が渇いた」と感じにくいのです。
ただ、水分が足りない状態が続くと、膀胱炎や尿石症などの下部尿路の病気、便秘につながりやすくなります。シニア期の猫ちゃんでは腎臓の健康にも関わるため、毎日の飲水はとても大切です。
猫ちゃんに必要なお水の量の目安
1日の目安は体重1kgあたり約50mlです。
体重4kgの子なら約200ml 体重5kgの子なら約250ml
この量には、フードに含まれる水分も入ります。ウェットフード中心の子は、器から飲む量が少なくても足りていることがあります。
【環境編】お水を飲みたくなる工夫 ① 器の素材を変えてみる
プラスチックの器は細かい傷がつきやすく、そこに汚れやニオイが残ります。その結果、お水を嫌がる子がいます。陶器・ガラス・ステンレスの器に替えてみてください。
② 器の形と高さを見直す 広くて浅めの器:ヒゲが器のふちに当たるのを嫌がる子がいます。 高さのある器・食器台:首を下げずに飲めるので、シニアの子や関節が気になる子にもおすすめです。 ③ 置き場所を増やす・変える
猫ちゃんは、ごはんの近くやトイレの近くのお水を好まない傾向があるといわれています。
家の中の2〜3か所にお水を置く 猫ちゃんがよく過ごす場所や通り道に置く 人の出入りが少ない静かな場所を選ぶ
器の数を増やすだけで、飲む量が増える子も少なくありません。
④ いつも新鮮なお水にする
猫ちゃんは鼻がとても良いので、時間のたったお水を嫌がることがあります。1日に何度か取り替え、器も毎日洗いましょう。 お水はふだんの水道水で大丈夫です。ミネラルウォーターを使う場合は、ミネラルの多い硬水は避けて軟水を選んでください。
⑤ 温度を変えてみる
冷たいお水が好きな子もいれば、人肌くらいのぬるま湯を好む子もいます。特に寒い季節は、ぬるま湯にすると飲む量が増えることがあります。
⑥ 流れるお水(自動給水器)を試す
蛇口から出るお水が好きな子には、循環式の自動給水器がおすすめです。動いているお水に興味を持って、自分から飲みに来る子も多いです。 ※フィルターと本体は、説明書どおりにこまめに掃除してください。
【食事編】ごはんから水分をとる工夫 ⑦ ウェットフードを取り入れる
水分量は、ドライフードが約10%なのに対して、**ウェットフードは約70〜80%**です。毎日の食事の一部をウェットフードにするだけでも、1日にとれる水分がぐっと増えます。
⑧ ドライフードにお水やぬるま湯を足す
いつものドライフードに、少しお水やぬるま湯を足すのも手軽な方法です。 ふやかしたフードは傷みやすいので、置きっぱなしにせず、食べ残しは早めに片付けましょう。
⑨ ちゅ~るスープ(動物看護師のイチオシ!)
**ちゅ~るをお水やぬるま湯で溶いた「ちゅ~るスープ」**は、お水が苦手な子にとてもおすすめです。
作り方
器にちゅ~るを1本出す お水かぬるま湯(大さじ1〜2くらい)を少しずつ加えて混ぜる 最初は濃いめにして、慣れてきたら少しずつお水を増やす
ポイント
ぬるま湯で溶くと香りが立ち、食いつきが良くなりやすいです。 作ったらすぐにあげて、残った分は捨てましょう。 ちゅ~るは「おやつ」です。おやつは1日のカロリーの10%程度までを目安に、あげすぎに気をつけてください。 療法食を食べている子や、持病のある子は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
ほかに、味付けをしていない鶏ささみのゆで汁を少しお水に混ぜる方法もあります(玉ねぎなどの野菜や、塩などの調味料は絶対に入れないでください)。
【サポート編】シリンジでお水をあげる方法
食欲が落ちているときや、どうしても自分で飲んでくれないときは、**シリンジ(針のない注射器タイプの給水器)**でお水をあげる方法があります。シリンジは動物病院やペット用品店で手に入ります。
あげ方の手順
猫ちゃんを膝の上や台の上で落ち着かせます。嫌がる子は、バスタオルで体を包むと安定します。 頭を軽く支え、**口の横(牙のうしろのすき間)**からシリンジの先をそっと入れます。 1回に0.5〜1mlくらいずつ、ゆっくり押し出します。 猫ちゃんがごっくんと飲み込むのを確認してから、次をあげます。
注意点
顔を上に向けすぎない:お水が気管に入る「誤嚥(ごえん)」の原因になります。顔は正面か、少し上向きくらいにしてください。 一度にたくさん入れない:むせたらすぐに中止しましょう。 無理強いしない:嫌な経験になると、次からさらに嫌がるようになります。短い時間で終え、終わったらたくさん褒めてあげてください。 体調が悪くて飲まない場合は、まず動物病院へ:シリンジでの給水を続ける前に、獣医師の診察を受けてください。 飲めているかチェックする方法 飲水量を測る:朝に計量カップで量ったお水を入れ、翌朝に残りを量ります(蒸発する分もあるので目安です)。 おしっこを見る:量や回数が急に減っていないか、トイレ掃除のときに確認しましょう。 皮膚をつまむ:肩のあたりの皮膚を軽くつまんで離し、すぐに戻るかを見ます。戻りが遅いときは、脱水の可能性があります。 歯ぐきを触る:ベタついたり乾いたりしていないかを見ます。 こんなときはすぐに動物病院へ お水を飲まず、元気や食欲もない おしっこが出ていない、またはトイレに何度も行くのに少ししか出ない(特に男の子は急ぎましょう) 嘔吐や下痢が続いている
**反対に、急にお水をたくさん飲むようになった場合も注意が必要です。**腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などのサインのことがあるので、早めに受診してください。
おわりに
お水の好みは、猫ちゃんによって本当にさまざまです。いくつかの方法を組み合わせて、**「うちの子に合う飲み方」**を少しずつ見つけてあげてください。
まりんハウスには動物看護師が在籍しています。お水の飲み方やお世話のことで気になることがあれば、ホテルやトリミングでご来店の際にお気軽にスタッフへお声がけください。